【金鯱賞】荒れるには明確な理由がある!「G1前哨戦」だから浮上する爆弾穴馬

波乱の立役者となるかシフルマン

波乱の立役者となるかシフルマン


金鯱賞(G2、中京芝2000m)は、2017年から開催時期が春の中京開幕週に移行。同年にG1へ昇格した大阪杯などのステップレースとして生まれ変わりました。

この『G1前哨戦』となったことにより、好走馬の傾向にも変化が生じているのをご存知でしたか?

順を追って説明するとトライアルなどのステップレースでは、実績馬ほど余裕残しの状態で出走することが目立ちます。

多くの場合は次走以降のG1が大目標のため、今回の結果より本番につなげるレースをしがち。レースの流れが遅くても道中は折り合いに専念して、何が何でも勝ちに動かない傾向が散見されるのです。

最低人気の爆穴馬ギベオンが逃げ切った2021年の金鯱賞は、上記で紹介した典型例でしょう。単勝1倍台の断然人気に支持された牝馬3冠馬デアリングタクトは、前半1000m61秒4というスローペースでも、4コーナーまで中団のまま動きません。

しかも金鯱賞が行われるのは馬場状態が良く、前に行った馬が簡単には止まらない春の中京開幕週。展開と馬場に恵まれた逃げ先行馬が上位を独占する流れを直線で猛然と追い上げるも、僅かにクビ差及ばず2着に敗れました。

聞いて驚かないでください。昨年だけでなく3月開催となった2017年以降の金鯱賞では、過去5年で4度も『人気薄の逃げ馬』が波乱の立役者になっているんです!

▼4コーナー先頭の金鯱賞成績(過去5年)
21年 1着 ギベオン(10人気)
20年 3着 ダイワキャグニー(6人気)
19年10着 タニノフランケル(8人気)
18年 2着 サトノノブレス(8人気)
17年 2着 ロードヴァンドール(7人気)

20年には昨年と同様に断然人気のサートゥルナーリアが中団に控え、前半1000m通過63秒6の遅い流れを味方につけたダイワキャグニー(6人気)が3着に激走!

そのほかにも18年2着サトノノブレス(8人気)、17年2着ロードヴァンドール(7人気)と伏兵が波乱の立役者になっています。

今年の出走メンバーで積極策が予想されるのは、過去3戦続けて逃げ切っているジャックドールが最有力候補。ただ、4走前に今回と同じ中京芝2000mでは2番手から快勝しており、当時と同じく他馬が先手を主張すれば無理せず控える可能性も?

21年の大阪杯を鮮やかに逃げ切ったレイパパレや、昨年の覇者ギベオンも近走は逃げる競馬をしておらず、そうなると近3走でハナを切ったことがある馬はシフルマンショウナンバルディの2頭しかいません。

今回は後ろから数えた方が早い人気薄が予想されるシフルマンは、前走の関門橋S(小倉芝2000m)で逃げて2着。4走前には中京芝2000mで勝利経験があるだけに、楽に先手が奪えれば粘り込みも考えられます。

またショウナンバルディは金鯱賞と同舞台の中日新聞杯を鮮やかに逃げ切り。ハナを切れなかった前走の日経新春杯では2ケタ着順に大敗しており、2走前と同じ岩田康騎手と再コンビを組む今回は積極策による巻き返しに要注意です!