【阪神スプリングJ】王者マイネルグロン始動!指揮官と主戦ジョッキーの感触は…

前走の中山大障害を圧勝したマイネルグロン

前走の中山大障害を圧勝したマイネルグロン


阪神スプリングジャンプ
マイネルグロン
青木孝文調教師

——前走の中山大障害で馬、厩舎にとって初のJ・G1勝利を挙げました。レースを振り返ってください。

青木調教師(以下、青):レース前からジョッキーも自信満々でしたし、馬の仕上がりも万全でした。レースは前を行く2頭が良いペースで行ってくれて途中から3番手につけて運んでいましたが、ジョッキーも早い段階で勝てる手応えを掴んでいたようです。最後はその通り、危なげないというか力でねじ伏せるような強い勝ち方をしてくれましたね。

——今回阪神スプリングジャンプを選択した意図は。

青:オーナーサイド、ジョッキー、厩舎の3者で相談して、G1に直行というプランも考えましたが、セオリー通りステップレースを使おうということになって選びました。馬の体調も問題ないですし、全く無理のないローテーションで調整も順調です。

——この中間の過ごし方を教えてください。

青:前走後は少し時間を置いてから、年明けにビッグレッドファーム鉾田へ短期放牧に出しました。約1ヶ月くらい向こうで調整してもらって、レースの約1ヶ月前に帰厩するというこの馬のいつも通りのパターンで調整しています。

——3/6(水)に行われた最終追い切りの狙いと動きの評価をお願いします。

青:仕上げるとか馬を作るとかいう段階はもう出来ていますし、馬の気持ちも9分くらいは出来ていつでも臨戦態勢は整っているので、あとは気持ちを乗せ過ぎないように淡々とメニューをこなしてくれれば、と考えていました。中山大障害のときの最終追い切りはジョッキーの提案でメンコを外してやりましたが、今回はメンコを着けたままやりました。

気持ちのスイッチの切り替えがしっかりしている馬でメンコを外すとスイッチが入りますが、メンコを着けてスイッチも入り過ぎずに走れていました。動き自体は今更どうこう言うこともない、素晴らしい動きでした。追い切り後も問題なくきています。

——2023年度JRA賞最優秀障害馬を受賞しました。障害馬としてひとつの頂点に達しましたが、今後更なる成長を期待するところはありますか。

青:もうこちらが馬に求めることはありません。これはマイネルグロンに限らず全ての馬に対して思うことですが、無事にいてくれたら、だけですね。こちらは脚元のケアや体調管理を徹底して、オーナーサイドの方針などをくみ取りながら万全の態勢でレースに臨めるように仕上げていくだけです。

あえて目標と言えば、調教ゼッケンの星の数を増やしていきたい、ということでしょうか(笑)。他にもゼッケンにたくさん星を付けている馬がいるので、そういう存在に近づければと思います。

——レースへ向けて意気込みをお願いします。

青:これももうこちらが意気込むことは何もなくて、無事に回ってきてくれれば、だけですね。そう言えるだけ問題なく調整出来ていますし、自信を持って送り出せます。

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阪神スプリングジャンプ
マイネルグロン
石神深一騎手

——前走の中山大障害は馬、厩舎にとって初のJ・G1制覇となりました。当日の仕上がり具合も含めてレースを振り返っていただけますか。

石神騎手(以下、石):馬の状態が良かったですし、前々走の東京ハイジャンプの勝ち方が強かったので自信を持って臨めました。自分がイメージしていた以上の走りをしてくれましたし、かなり強い勝ち方でした。

——今回の阪神スプリングジャンプに向けて1週前と最終追い切りに騎乗されましたが、調整の狙いと動きの評価をお願いします。

石:去年の大障害のときがすごく良かったので、それと比べてどれくらい差があるかなと思っていましたが、2週前の時点でほぼ同じレベルに達した感じだったので、1週前と最終追い切りは本当に調整程度で十分だと思っていました。ラクに時計も出ていますし、馬がレースが近いことを分かっているみたいです。脚元のケアだったり、オーバーワークになり過ぎないようにだったり、そういう点だけ気を付けましたが、良い感じで調整出来ました。

——石神騎手とのコンビでは初の阪神障害コースへの出走となります。コース適性への見通しは。

石:阪神の3900は特殊なコースですが、グロン自身は問題ないと思います。前走でタスキコースを経験していますし、4走前に五十嵐騎手が乗って強い勝ち方をしているので、同じようなイメージでいければと思います。

——レースに向けて意気込みをお願いします。

石:G1に向けての前哨戦ではありますがすごく状態が良いので、ここも圧巻のパフォーマンスを見せて本番に向かえればと思っています。