【京成杯オータムH】本当にアスコリピチェーノで鉄板?ひそかに大金星を狙う伏兵とは

昨年の2歳女王アスコリピチェーノ

昨年の2歳女王アスコリピチェーノ


9月8日(日)に行われる京成杯オータムハンデキャップ(G3、中山芝1600m)。なんといっても注目を集めているのは、G1馬アスコリピチェーノでしょう。

アスコリピチェーノと言えば、昨年の阪神ジュベナイルFを優勝した23年JRA最優秀2歳牝馬。その後も桜花賞2着、NHKマイルC2着と、G1戦線で一歩も譲らぬ好試合を繰り広げている同馬が、ここを始動戦として選んだのには驚いた方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、過去の好走傾向を様々な面から検証。アスコリピチェーノ優勝の可能性と同時に、逆転の可能性があるライバル候補にも注目していきます!

☆データ①☆
  • 斤量

まずはレース名にもなっている「ハンデ」に注目してみましょう。

▼京成杯オータムH「斤量」別成績
49.5~53kg[2-3-0-23]勝率 7.1%
53.5~55kg[3-2-4-41]勝率 6.0%
55.5~57kg[3-5-5-46]勝率 5.1%
57.5~59kg[2-0-1- 8]勝率18.2%

(※過去10年)

過去10年で最も勝率が高いのは57.5~59kgの馬。比較的重たい斤量を背負わされたとしても、実績で勝る有力馬が堅実に結果を出していると言えそうです。

アスコリピチェーノの55.5kgは一見芳しくないようにも見えますが、こと牝馬に限れば、このレベルの斤量で出走したのは21年2着コントラチェック(12人気)と23年3着ミスニューヨーク(8人気)の2頭のみ。勝利こそないもののいずれも馬券内には走っており、アスコリピチェーノも好走の確率は高いものと見ていいでしょう!

一方で勝率の高い57.5~59kgの馬ですが、昨年優勝したソウルラッシュなど馬券になった3頭はいずれも「1年以内にマイル重賞で連対」していたという共通点がありました。今年は57.5kgを背負うエエヤンとディオがそれぞれ該当、強力なライバルとして浮上します!

☆データ②☆
  • 年齢

続いては皆様も気になっているであろう「年齢」による傾向です。各世代別に分けた馬の成績を見てみましょう。

▼京成杯オータムH「年齢」別成績
3歳[1-1-2-16]勝率 5.0%
4歳[1-0-2-22]勝率 4.0%
5歳[7-4-3-38]勝率13.5%
6歳[0-5-3-28]勝率 0.0%
7歳[1-0-0-12]勝率 7.7%

(※過去10年)

16年ロードクエストの勝利を最後に、このレースを制した3歳馬は出ていません。また過去10年では20年2着スマイルカナを除き、3歳牝馬はすべて馬券外に敗れています。アスコリピチェーノにとっては少々向かい風とも言えるデータでしょう。

一方で20~23年まで4連勝を決めるなど、快進撃を続けているのが5歳馬。また集計内の勝ち馬7頭のうち6頭は「前走3着以内」と好調な馬ばかりであったこともポイントで、今年の5歳馬ではディオのみが該当しました。

☆データ③☆
  • ローテーション

最後はローテーション、中でも「前走距離」別に見た成績をご紹介します。

▼京成杯オータムH「前走距離」別成績
~1400m[1-2-1-21]勝率4.0%
1600m [4-8-8-72]勝率4.3%
1800m~[5-0-1-24]勝率16.7%

(※過去10年)

驚くべきことに、本番と同じマイル戦を経験してきた馬は過去10年で4勝止まり。2~3着まで含めれば馬券内に入る確率は圧倒的に高いものの、優勝を狙いたいアスコリピチェーノにとってはやはり試練でしょうか。

また目を見張る勝率を挙げているのが前走1800m以上を経験してきた、いわゆる「距離短縮」組です。特に「前走上がり5位以内」で走っていた馬の成績が良く、集計内の好走馬6頭すべてが該当。23年3着ミスニューヨーク(8人気)や21年1着カテドラル(7人気)などの人気薄も同様の条件から激走を見せました。

今回「距離短縮」かつ「前走上がり5位以内」の条件に唯一該当したのが、前走カシオペアSで上がり4位5着に走ったエアファンディタ。マイルのオープン戦を制した経験もあるだけに、大逆転を狙う伏兵として警戒すべきでしょう。

さて以上3つの傾向を総合すると、アスコリピチェーノは馬券内に走る確率は非常に高いものの、勝利を後押しするするにはやや乏しい……と判断せざるを得ない結果となりました。

とはいえデータはあくまでデータ、時によってはあっさりと覆されるのが競馬の常。過去の名馬と言われるスターホースたちも幾度となくこういった壁を乗り越えてゆきました。快足3歳牝馬の、心躍るようなレースぶりに期待しましょう!