研究員ヤマノの重賞回顧

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8/5(日)、新潟競馬場で行われた関屋記念(3歳上、G3・芝1600m)は、福永祐一騎手騎乗の1番人気カンパニー(牡6、栗東・音無秀孝厩舎)が、最後の直線中程で大外から末脚を爆発させ差し切り、見事栄冠に輝いた。
勝ちタイムは1分31秒8(良)。
3.1/2馬身差の2着には好位からレースを運んだ3番人気シンボリグランが、さらに1馬身差の3着には勝ち馬と連れて大外から伸びてきた12番人気マイケルバローズが入線。

勝ったカンパニーは、9ヶ月の休み明けで新潟コースは今回が初めてという条件にもかかわらず、1番人気に支持された。
1番人気に支持されたことは過去僅かに1度しかなかった同馬だが、それだけここでは力が抜けていたということか。
しかし、この馬の能力の高さは疑う余地もないだろうが、今回の勝利は鞍上の福永Jの好騎乗によるところも大きかったのではないだろうか。
この馬の過去の戦績を振り返ってみると、最速上がりを繰り出せた時は連対率100%を記録していることがわかる。
福永J騎乗時に限ると、過去2戦2勝である。
そして、逆に福永J騎乗時で上がり時計が2番以下だった時は7戦して3着以内はゼロ。
ということは、いかに終い勝負に徹することができるかが、カンパニーが好走できるかどうかの鍵となるのだ。
それができるかは勿論メンバーや展開次第なのだろうが、秋の盾で最強アドマイヤムーンとの対決を視野に入れている以上、そのあたりを意識して、今回のような末脚を生かす騎乗が鞍上に求められるだろう。


同8/5(日)、函館競馬場で行われた函館2歳S(2歳、G3・芝1200m)は、好位からレースを運んだ武幸四郎騎手騎乗の6番人気ハートオブクィーン(牝2、北海道・若松平厩舎)が、最後の直線で抜け出してそのまま末脚を伸ばし、2着の11番人気ジョイフルスマイルに4馬身差をつけ快勝した。
勝ちタイムは1分13秒8(重)。
さらに1/2馬身差の3着にはインから伸びた2番人気イイデケンシンが入線。
なお、藤田騎手騎乗の1番人気エイブルベガは6着に敗退した。

勝ったハートオブクィーンは、前走のラベンダー賞で12頭立ての最低人気ながら快勝。
道営馬が同レースで優勝したのは、99年エンゼルカロ、05年モエレジーニアスに続く3頭目だ。
前述の2頭は、残念ながらその後思うような結果を残せていないが、この馬は果たしてどうだろうか?
今回の優勝により12月の阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)の優先出走権を獲得したことで、北の大地の競馬熱は大いに盛り上がるに違いない。
待ち望まれる“道営の女傑”とも呼べるべき強豪に、このまま成長してくれるのか?
競馬がもっと面白くなるためにも、“新しい風”の台頭には大いに期待したいところである。