
騎手時代に約20万人が来場した90年ダービーをアイネスフウジンで逃げ切った中野栄治元調教師が、
独自の視点で重賞の好調教馬を導き出します!
【安田記念】レジェンド・中野栄治元調教師も驚く"飛ぶように走る馬"!
2025/6/7(土)
当週 栗東坂路(良) | ||||||
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51.9 | 37.1 | 23.6 | 11.5 | ゴール前強め |
先週の日曜日、ダービーデーの東京競馬場に行ってきたんだ。やはり日本ダービーは独特の雰囲気に包まれているよね。ファンの熱気も凄かったし、つい僕も興奮してしまったよ(笑)。
そんな中、推奨したクロワデュノールが勝ってくれたのは良かった。何より北村友一君が勝ってくれたのが嬉しかったな。
彼は怪我などで紆余曲折あったけど、ご存じの通り乗れるジョッキー。謙虚な性格で、レース後も自分ではなく、「この馬を勝たせたかった」というコメントにはついウルっときたよ。
彼にとっては皐月賞で負けたことが逆にプラスに働いたんじゃないかな。もし皐月賞を勝っていたら、もの凄いプレッシャーになっていただろうから。
いずれにしても、これでダービージョッキーの仲間入り。今後ますまず活躍してほしいな。
さて、今週の安田記念の話に移ろうか。今週のナンバーワンはガイアフォースだ。
直前は坂路で追い切ったけれど、ブリンカーも効いているのかな、まるで飛ぶような走りで弾んでいたよね。海外帰りとはいえ、あの弾けっぷりから状態は凄く良く見えたよ。
次はソウルラッシュ。7歳の今が充実期って感じだよね。ドバイではあのロマンチックウォリアーを負かしたわけだし、バランスの取れた追い切りで、まるでゴムまりのように弾けていたよ。
ダディーズビビッドは人気がないだろうけれど、ダイナミックな動きで状態は良さそうだ。前走の六甲S勝利には驚いた。それだけ今、具合がイイ証拠なんだと思う。
最後にマッドクール。距離がどうかも、1週前にしても今週にしても、追い切りでは重心を低くして素晴らしい伸びだったね。ひょっとすると1200mが忙しくなっているのかもしれない。逆にマイルで新味が期待できるかもしれないね。

フィリップ
先週中止になった富嶽賞から何頭か馬が回ってきたね。それでもハナを切るのはフィリップじゃないかな。他に目立った同型もいないし、単騎で逃げれば粘れるんじゃないかな。
プロフィール
【中野 栄治】Eiji Nakano
1953年大分県生まれ、東京都出身。父は大井の元調教師という家庭で育ち、1971年に騎手デビュー。数多くの活躍馬に騎乗し、約20万人が詰めかけた1990年日本ダービーをアイネスフウジンで逃げ切り伝説を作る。1995年には調教師に転身。短距離G1を2勝したトロットスターなどを育て、日本競馬にその名を残した名ホースマン。