「血統分析」に心血を注ぐこと数十年。東大卒の頭脳と豊富な経験によって完成した独自の理論から導いた自信の『本命馬』と、一発逆転の可能性を秘めた『お宝馬』を披露する。
直近の血統激走馬
- 11月17日 京都11R マイルCS(G1)
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本命馬◎ソウルラッシュ(4人気) 1着
難解なメンバーで本命ズバリ!
- 11月16日 東京11R 東スポ杯2歳S(G2)
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本命馬◎クロワデュノール(1人気) 1着
2歳戦で血統ジャッジが光る!
【ホープフルS】来年への息吹を
2019/12/24(火)
【今週のポイント】
阪神JF、そして朝日杯FSと、牡牝のマイルG1が共に高いレベルの内容だった2歳世代だが、今週はどうなるか。ホープフルSは中距離=牡馬クラシックを占う重要な一戦として定着してきた。
今年の主役はいうまでもなくコントレイル。1分44秒5と驚異のレコードで東京スポーツ杯2歳Sを勝ってきた。新馬戦で急坂コースの経験はあるものの、今回は初の小回りのコーナー4つ、高速馬場での高速決着による反動への懸念など、超えるべき関門も控えている。
有馬記念勝ち馬を出し勢いづくハーツクライ、2歳世代は当たり年でもあるが、ここにはワーケアを送り込む。こちらも小回りのコーナー4つは初めて、反対に週末予想される良馬場も初めて、右回りが初めて。
3冠馬同士の配合ラインベックも、右回りとゴール直前の急坂(中京の坂はゴールからやや遠い)が初めてとなる。
これらをこなせるかどうか、絶対能力やパフォーマンス内容、血統からの見極めが重要となる。今年最後の血統トレジャーハンティングをお楽しみに。
★土曜阪神11R 阪神カップ(G2) ◎本命馬 フィアーノロマーノ 3番人気2着 道中は少しズブさが見えたが、4角では勝ったグランアレグリアの後ろまで何とか取りつく。そこから一気に突き放されてしまったが、この馬も他馬を捌いてじりじりと伸びていた。3着馬とはアタマ差も、それ以上の勢いで2着確保。とにかく相手が悪かった。
$お宝馬 メイショウショウブ 10番人気3着 息の入らない流れをハナ追走の2番手。グランアレグリアのスパートには無抵抗だったが、それ例外には抜かれそうで抜かれない粘りを見せた。やはり坂コースには強い。立派な走りを見せてくれた。
★日曜中山11R 有馬記念(G1) ◎本命馬&お宝馬 ヴェロックス 8番人気8着 スタートから一切見せ場がなく、ダラッと走っただけに終わってしまった。同じ3歳のサートゥルナーリアやワールドプレミアが、タイトルホースにふさわしい健闘を見せたのに対し、こちらはあまりにも差がある内容で、正直落胆しかない。負けるにしても見せ場くらいは作ってほしかった。やはり3冠全て好走といっても、勝てない馬にはそれだけ能力の開きがあるということで納得するしかないのだろう。もしかしたら、逃げるか追い込むかの極端な競馬をした方が良いタイプなのかもしれない。
【次回の狙い馬】
日曜 阪神1R 4着 スタートを決めて好位追走。ただペースが厳しく、前に行った馬は直線で後退。この馬もいったんは圏外に落ちそうな脚色になったが、ゴール前はまたジリジリ詰め返してきた。かなりメンタルが強い。次走直線に坂のない京都なら押し切りも可能。ただ砂を被るのを嫌うそうで、外枠ベター。
日曜 中山7R 4着 外から注文通りの逃げ。ただ突っつかれて息が入らない。上位は追い込み馬が独占する中、最後まで粘って0秒3差。引き続き中山ダート1800m出走なら、同型が多少いても何とかなりそうだ。
プロフィール
水上 学 - Manabu Mizukami
1963年生まれ、東京大学卒業。 初めてレースを目にすることになった1971年の日本ダービーをキッカケに、競馬にノメリ込む。70年代後半から血統に興味を持ち、手製の血統表を作成。以後、試行錯誤を重ねつつ現在に至る。必然と偶然が折り重なる「血統」に魅了され、膨大なサンプルを解析。血統傾向を絶対評価と相対評価に体系化することで、より実践的な予想理論に昇華させている。多角的な観点から競馬を検証する鋭い分析力は、ファンのみならず関係者からも支持を受けており、現代競馬を語る上で欠くことのできない最重要人物である。ラジオ日本「競馬実況中継」メイン解説、雑誌「競馬の天才」など多媒体で活躍中。