我らが阪神タイガースにとって、今のところ2019年最大のヒットとなっているのは、トップバッターを務める近本光司外野手だろう。ルーキーながら難しいボールを上手く捌き、ヒットを量産するその姿は完全にルーキー離れしている。昨日まで13試合連続安打と、名外野手だった赤星憲広氏が作った新人記録・12試合連続安打を塗り替えた。

加えて近本選手の魅力的な点は、その足の速さにもある。一昨日の広島カープ戦では1試合3盗塁を決め、その快速ぶりで広島守備陣を攻略、阪神を勝利に導いた。パンチ力も秘めており、大事な場面で長打も期待できる。ケガさえなければ相当な成績を残す可能性を秘めている。

そんな阪神は今日、横浜DeNAベイスターズ相手にサヨナラ勝ち。4番の大山悠輔内野手が10回裏にサヨナラツーベースを放って試合を決めた。ただ数多くのチャンスをベイスターズが潰した側面もあり、素直に喜んでいいものかは分からない。できることなら8回まで粘投し1失点の西勇輝投手に勝ち星をつけたかった。明日はもう少し心臓に優しい試合を希望したい。


プロ野球コラムの時間は終わり。今週も競馬コラムとして中央競馬について考えていこう。


まずは京都11R・京都新聞杯。まずは今年の皐月賞の話から始めよう。とっとと京都新聞杯の話をやれよと思う方もいるかもしれないが、トランキーロ。今年の皐月賞は平穏な決着であったが、1着サートゥルナーリアから5着クラージュゲリエまで前走ホープフルS、若葉S、共同通信杯組が占めた。

道悪で脚の速さよりも適性が求められた弥生賞、時計自体は悪くないものの、前日のフラワーCよりペースが速いのに勝ち時計はフラワーCより遅いという、どちらもこの先に繋がりにくいレースとなってしまった。色々な競馬新聞の印を見る限りブレイキングドーンとタガノディアマンテが人気となりそうだが、弥生賞、スプリングS上位馬は安易に信用したくない。他の路線の馬でも十分通用すると読む。

京都新聞杯の歴史を振り返ると、毎年のように好走馬を出す血統がある。トニービンの血だ。トニービンの血を持った馬は若い時に腰が緩い場合が多く、急坂より平坦コースを好む傾向がある。加えて京都の中長距離重賞は下り坂からのロングスパート勝負になりやすいことから、持続力が武器のトニービンはピッタリなのだ。

今年トニービンの血を持った馬は6頭。地味に多い。◎オールイズウェルはその内の1頭で、父ルーラーシップの母の父にトニービンの名前が見える。まだ1勝馬とはいえスローペースの毎日杯で4コーナー10番手から上がり3F34.1の脚を使い差し込んで、1着とは0.5秒差の6着と、内容のあるレースを続けている。

前走は3着とはいえ、4コーナーの勝負どころで内にいたアルクスが斜行、その影響を受けてバランスを崩し、大外に進路を変更する大きなロスがあった。1着馬から0.1秒差だっただけに、不利さえなければ勝っていた可能性が高い。リトルアマポーラなどを送り出したルイジアナピットの一族出身で、この一族はリトルアマポーラのエリザベス女王杯、オールイズウェルの母ラブフールのクイーンSなど、中途半端な距離、いわゆる非根幹距離に強い馬が多い。2200mに替わる点もプラスと見る。

前走こそ7着に敗れたが、500万特別としてはレベルの高いレースだった大寒桜賞組のサトノソロモンはまだ見限れない。一発あるならディープインパクト系トーセンラーの産駒で、長く脚の使えるトーセンスカイ、重厚な血統で重賞替わりはプラスと思えるヒーリングマインドあたりか。

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東京11R・プリンシパルSは近年時計が速くなりつつあり、ここ2年連続でレースレコードが更新されている。それだけ馬場の状態がいいのだろう。近10年のこのレースで、勝ち時計が1分58秒~59秒台だったのは計5年。その内09年、10年、17年、18年でキングマンボの血を持った馬が3着以内に入っている。時計が速い東京芝はキングマンボの庭。通常以上に力を発揮できるのだろう。今年キングマンボの血を持つ馬はなんと8頭。半数以上がキングマンボ持ち。さすがに数が多過ぎる。

青葉賞の当コラムでも書いたが、ダービートライアルは夢の舞台の切符を賭けていることもあり、トニービン、サドラーズウェルズなど持続力、スタミナに富む血統を持つ馬も来やすい。◎アトミックフォースは父がキングマンボ系キングズベスト×サドラーズウェルズのワークフォース。

前走のフリージア賞はスローペースながら瞬時に反応し、上がり3F33.2の末脚で勝ち切った。スピード不足に陥りやすいワークフォース産駒としてはまさに異例。上がり3F33.2は、ワークフォース産駒の芝マイル以上の過去479戦中、最速。スピード豊富な母方の血もよく受け継いでいるのだろう。左回りは2、1、1着と崩れ知らず。時計はもっと詰まりそうだ。


東京10R・メトロポリタンSが行われるのは東京芝2400m。日本ダービーなどが行われる舞台だが、ダービーのようなスローの瞬発力勝負とは異なり、残り1000mが59秒を切る持続力勝負になることが多い。その影響を受け、ここ5年連続で持続力に優れたロベルトの血を持つ馬が連対している。

母系にロベルトを持つ◎エンジニアは、父が凱旋門賞馬シーザスターズと、血統の中に秘める潜在的スタミナは十分。気性の影響で以前は1800mを使っていたものの、成長と共に折り合いが付きやすくなり、今では2000m以上が主戦場となっている。前走の白富士Sはレース上がり3Fが34.1と速くなり、切れ負けしたような形に。持続力が問われるこのレースに替わるのはプラスだろう。


その他からは合計2R取り上げる。


京都3R・3歳未勝利は◎スマートユニバンス。前走はダート1800mの未勝利で5着に敗れているが、母は4勝全てが芝のブリトマルティス。本質的には芝向きだろう。姉のクローソーは芝のマイルで新馬勝ちしたものの、その後は気性的な影響があり、芝1200mに主戦場が移った。弟のスマートユニバンスも同様に距離短縮のほうがプラスに働いており、新馬戦以外で馬券になったのは距離短縮の時。初めての1400mはむしろいいのではないか。


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