競馬YouTuberとして一躍名を挙げ、各媒体に引っ張りだこの佐藤ワタルが、地方&海外レースを展望。若くして人並み外れた知識量、分析力を披露する。
【宝塚記念】相手強化は苦にしない!道悪もこなせる血統のアノ馬で勝負!
2018/6/23(土)
昨夜のことである。
なんとなしにテレビでサッカーのワールドカップ、ブラジル-コスタリカ戦を眺めていた。さすがサッカー王国ブラジル。凄まじく鋭いフェイントを見せてコスタリカのディフェンス陣を翻弄してシュートまで持ち込むが、なかなか入らない。シュート20本以上放つも、後半アディショナルタイムまで点が入らず、このまま試合終了か……。誰もがそう思ったところで、フィリペ・コウチーニョ選手のシュートが決まり、ブラジルが先制。もう1点加えて2-0でコスタリカを下した。
あのなかなか点が取れないもどかしさ……。どこかで見たことある……。
そう、我らが阪神タイガースである。今日6月23日(土)も広島カープ先発の野村投手を攻めあぐね、序盤からリードを許す苦しい展開。終盤に追いつかない程度の反撃を見せるもそのまま敗れ、借金は5。もはやコメントすることは何もない。
阪神は敗れ、雨も降り、テンションがなかなか上がらなかった土曜日。当コラムで推奨した馬からは函館11Rの大沼Sをリーゼントロック(6番人気)が勝つなど悪くない結果となった。阪神の結果は相変わらず悪いが、このコラムの調子はこのまま維持していきたいところである。
土曜午後の阪神競馬場は雨が降りしきり、メインレースのころにはだいぶ馬場が掘れていたが、阪神10R・京橋特別(芝2000m)では1着馬の父がナカヤマフェスタ、2着馬の父がオルフェーヴルとステイゴールド系がワンツー。日曜阪神11R・宝塚記念は唯一のステイゴールド産駒であるパフォーマプロミスに◎…を考えたが、今回が初めての58キロ。相手強化を苦にしない一族であり道悪もこなせる馬だが、その点が気になり◎ダンビュライトに予想を変更した。
前走は香港・クイーンエリザベス2世カップで7着だったものの、初めての海外遠征が影響したか体重はマイナス14キロ。本調子ではなかったのかもしれない。2走前の大阪杯6着の敗因もスワーヴリチャードが向正面で捲り、早々と先頭に立つ流れを先行したことによるもの。ここ2走に敗因はある。
特筆すべきは5走前。極悪馬場で行われた菊花賞で4角先頭から粘るという好内容だったこのレースが示すように、この馬の武器はその末脚の持続力にある。宝塚記念は例年後半1000mが59秒台と持続力が求められるだけに、相性は良さそうだ。
いとこのマリアライトは2016年の勝ち馬。キャサリーンパーの一族はすでに宝塚記念に実績がある。対抗は先ほど挙げたパフォーマプロミス。前走は直線追われてからモタモタしていたように、いかにも休み明け。少し掛かってもいただけに、距離短縮はいい。
ドバイ帰りのヴィブロスが3番手。ドバイターフは2着に敗れたものの、内容は悪くない。昨年大雨だったメイダン競馬場でドバイターフを制しているように、多少の柔らかい馬場ならこなせるタイプだ。道悪が上手い香港馬ワーザー、そしてノーブルマーズあたりが続く。サトノダイヤモンドは跳びが大きく、内回りの内枠、そして道悪は根本的に合っていないだけに消した。
<宝塚記念 最終結論>
◎⑧ダンビュライト
○⑦パフォーマプロミス
▲⑩ヴィブロス
☆⑬ワーザー
△①②④⑨⑯
東京11R・パラダイスSは◎ショウナンアンセム。以前から素質のあるところを見せていた馬だが、折り合いに難しいところがあり、出世が遅れてしまっていた。前走の多摩川Sは道悪でタフな馬場になった中、折り合い難を見せずにそのまま逃げ切り完勝。気性的な成長を伺わせていた。距離短縮は歓迎で、土曜の雨で緩んだ馬場も大丈夫。オープン初戦の今回もいきなりからチャンスはあるだろう。
日曜函館からは2鞍取り上げる。まずは10R・奥尻特別の◎ジーナスイート。小柄な牝馬で前走は東京への輸送を挟んで412キロ。最後はバテてしまった。気性面を踏まえると2000mは少し長いのかもしれない。今回は滞在で臨める函館競馬。輸送なしでテンションが上がる可能性は低そうだ。ステイゴールド×メジロマックイーンという配合から洋芝替わりもいいだろう。52キロでマークが薄くなる今回は粘り込みを図りたい。
そして函館9R・3歳上500万下は◎ライジングドラゴン。ここ2走は500クラスで10着、5着と不本意な結果が続いているが、そこまで揉まれたくない馬だけに、前走は最内枠だった影響が多少なりともあった。思い返してみると新馬勝ちは先週のユニコーンSで2着となったグレートタイムを下してのもの。出走14頭中6頭が後に勝ち上がるレベルの高いレースだった。力は優に上のクラスでも通用するものがある。少頭数で外枠と、今回は巻き返せるだけの条件が揃った。
さて、同じく巻き返しを期待したい我らが阪神タイガース。途中経過までは見ていたものの、どうやら試合が終わったようだ。11-3。終盤に突き放されて、これで引き分けを挟んで4連敗。雨中の甲子園にお金を払って見に行ったファンが不憫でならない。今シーズン終了のお知らせは、すぐそこまで来ているようだ。
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佐藤ワタル - Wataru Sato
1990年山形県生まれ。アグネスフライトの日本ダービーを偶然テレビで観戦して以降、中学生、高校生、大学生と勉学に勤しむ時期を全て競馬に費やした競馬ライター。『365日競馬する』を目標に中央、地方、海外競馬の研究を重ねている。ジャンルを問わない知識は、一部関係者に『コンビニ』とまで評されている。早稲田大学競馬サークル『お馬の会』会長時代に学生競馬団体『うまカレ』を立ち上げたり、北海道の牧場などに足繁く通うなど、若手らしい行動力を武器に、今日も競馬を様々な角度から楽しみ尽くしている。現在はサラブレ、一口クラブ会報などでも執筆中。血統派で大の阪神ファン。甘党でもある。