競馬YouTuberとして一躍名を挙げ、各媒体に引っ張りだこの佐藤ワタルが、地方&海外レースを展望。若くして人並み外れた知識量、分析力を披露する。
【札幌2歳S】雨+開催最終週で欧州血統が来る!
2018/8/31(金)
我が阪神タイガースは、8月28日(火)からのヤクルトとの3連戦で3連敗。もはやこの球団について何も書く気力が起きない。
9月1日(土)は札幌2歳S(G3)が行われる。札幌競馬場は金曜日も雨。土日は晴れ予報とはいえ、先週の状況や開催最終週ということも考えれば、芝は全体時計、上がり共にある程度掛かることが推測できる。先週の札幌芝は上がりが掛かったことで欧州血統が上位に食い込みやすかった。ここも欧州意識を強めに持っておきたい。
◎ニシノデイジーは父がキングジョージを制したハービンジャー。デビュー戦こそ次戦の函館2歳Sで2着に食い込んだラブミーファインに敗れたものの、2戦目となった前走は上がりの掛かる展開を馬群を捌きながら楽に差し切って見せた。ハービンジャー産駒は跳びが大きく不器用な馬が多いため、内枠から馬群を捌いて好走できる馬は出世しやすい。このメンバーでも通用する可能性は低くないだろう。
○ナイママは門別の走りからダートより芝向きと踏んでいたが、前走コスモス賞では予想以上に芝コースをこなし、素質馬アガラスを完封してみせた。上がりの掛かる芝にすでに適性を見せたのは大きな強み。少々テンションが高いところがあるだけに、外枠でもうまく折り合えば、ここでもチャンスはあるだろう。
▲クラージュゲリエの兄プロフェットはこのレースで2着の経験があるが、父がキングカメハメハの分、ハービンジャー産駒の兄より末脚の切れ味が増している。かなりの素質を秘めており、来年のクラシックでも上位人気になっていい馬だ。ただ前走のデビュー戦は前半1000m67.1秒という超がつくスローペース。今回は1000m通過が前走より5秒は速いだろう。うまく対応できるかが焦点になりそうだ。
もう1頭挙げるなら☆アフランシール。母ルシュクル、姉ブランボヌールは短距離馬だが、この馬は少々タイプが違う。非常にレースセンスが良く、走りも素軽い。新馬戦より重い馬場に替わるということで4番手に留めたが、その素質は今年のここまでデビューした2歳牝馬の中でもトップクラスと見込んでいる。来年が楽しみな素材だ。
プロフィール
佐藤ワタル - Wataru Sato
1990年山形県生まれ。アグネスフライトの日本ダービーを偶然テレビで観戦して以降、中学生、高校生、大学生と勉学に勤しむ時期を全て競馬に費やした競馬ライター。『365日競馬する』を目標に中央、地方、海外競馬の研究を重ねている。ジャンルを問わない知識は、一部関係者に『コンビニ』とまで評されている。早稲田大学競馬サークル『お馬の会』会長時代に学生競馬団体『うまカレ』を立ち上げたり、北海道の牧場などに足繁く通うなど、若手らしい行動力を武器に、今日も競馬を様々な角度から楽しみ尽くしている。現在はサラブレ、一口クラブ会報などでも執筆中。血統派で大の阪神ファン。甘党でもある。