アイトーン

(牡3、栗東・五十嵐厩舎)

キングズベスト
スペシャルディナー
母父スペシャルウィーク
通算成績6戦3勝
連対時平均馬体重476kg (最高:480kg) (最低:474kg)
前走時馬体重474kg
POINT腹回りの肉付きが良い、腹袋の大きなタイプ。父キングズベストも同様に腹袋のしっかりした馬なので、父から遺伝したものと考えられる。後躯における仙骨の形状も父譲りであり、血統イメージ以上にサッとした速い脚を使える側面もある。蹄の角度が起きているので多少の荒れ馬場もこなせそう。馬体の張りは素晴らしいし、毛艶も抜群。一線級との能力差が未知数も、体調は良さそうな印象を受けた。
【道悪適性(◯)】
蹄の角度は立ち気味。キングズベスト産駒は芝の稍重~不良で【6-3-3-81/93】勝率6.5%、複勝率12.9%と数字上は得意にしているワケではないが、この馬自身はやや掻き込みの強い走法をしており、実際に稍重馬場でも初勝利を挙げている。高速決着よりは時計が掛かる馬場のほうが向いていそう。

エポカドーロ

(牡3、栗東・藤原英厩舎)

オルフェーヴル
ダイワパッション
母父フォーティナイナー
通算成績4戦2勝
連対時平均馬体重495kg (最高:498kg) (最低:492kg)
前走時馬体重492kg
POINT全体的に緩さを感じさせる立ち姿だが、これは母父のフォーティーナイナーにも共通する造りで、坦々とした先行スタイルで好成績を残しているように母系の要素が強く出ているからだろう。筋肉量は立派であるし、オルフェーヴル産駒ということでまだ伸び代も残している将来有望な1頭。馬場悪化にも問題なく対応できる脚元の構造で、最終週の中山でアドバンテージになりそうだ。状態も整っており、好勝負が期待できる。
【道悪適性(◎)】
蹄、繋ぎの角度ともかなり立った形で、一般に言われている道悪馬場を得意とする形。立ち姿からも母父フォーティーナイナーの血が色濃く出ており、脚元の造りもよく似ている。フォーティーナイナー産駒は芝の良馬場で【69-63-58-946/1136】勝率6.1%・複勝率16.7%・単勝回収率69%、稍重~不良で【16-3-9-145/173】勝率9.3%・複勝率16.2%・単勝回収率179%と渋ったほうが好成績を残している点も後押し。

オウケンムーン

(牡3、美浦・国枝厩舎)

オウケンブルースリ
ムーンフェイズ
母父エリシオ
通算成績4戦3勝
重賞勝利 18年共同通信杯(G3)
連対時平均馬体重460kg (最高:468kg) (最低:456kg)
前走時馬体重458kg
POINTバランスの良い立ち姿で、背中から腰のラインにかけては父のオウケンブルースリと似ている。シルエットに対して胴のゆとりもあり、距離はある程度延びても問題なさそうだ。この馬の方が父よりも完成度が高く、胸前~肩の筋肉も盛り上がっていて立派に見せている。毛艶も良好で、共同通信杯からの休み明けでも太め感は全く無い。蹄を見る限り、どちらかといえば良馬場希望のはず。馬場状態では一発の期待も持てる1頭だ。
【道悪適性(△)】
父オウケンブルースリと良く似た小さな蹄。蹄が小さい=道悪が上手、と言われがちだが、父は現役時代道悪で良績を残すことが出来なかったし、頭が高く重心の高い大跳びの走りも良馬場でこそ、といったイメージ。どちらかと言えば綺麗な馬場で走らせてあげたいタイプ。

キタノコマンドール

(牡3、栗東・池江寿厩舎)

ディープインパクト
ベネンシアドール
母父キングカメハメハ
通算成績2戦2勝
連対時平均馬体重492kg (最高:494kg) (最低:490kg)
前走時馬体重490kg
POINT斜尻直飛でディープインパクトらしい後躯の造り。全体にシャープな印象で、胴も長く見せている。今後はさらに筋肉量が増えていくだろうし、将来性は高い。距離は延びて良さそうなタイプに思えるので、今回は小回り2000mのペースに上手く対応できるかがカギになりそう。跳びの大きな馬なので、ある程度外目で流れに乗りたいところ。仕上がりに不安はなく、力は発揮できる状態だ。
【道悪適性(◎)】
全姉デニムアンドルビーや近親のトゥザヴィクトリー、トゥザワールド親子とも共通する典型的な立ち繋ぎで、一般に道悪を得意とする形。跳びが雄大で高速上がりをマークして連勝してきているが、半姉も雨中のローズSで勝利を挙げているように、形通りならこの馬も難なく道悪をこなせるはず。

ケイティクレバー

(牡3、栗東・安田翔厩舎)

ハービンジャー
モルトフェリーチェ
母父ディープインパクト
通算成績8戦2勝
連対時平均馬体重443kg (最高:446kg) (最低:442kg)
前走時馬体重446kg
POINT飛節の角度が折れている曲飛で、ゲートの速さも相まってスタートダッシュが利く構造。中距離の逃げ馬らしくムダな肉が一切付いておらず、全体的にスピード感のある、シャープな体つきと言えるだろう。欲を言えばもう少しトモに筋肉量が増えても良いと思っているが、ハービンジャー産駒だけに今後の成長も見込めるし、現状としては上々の仕上がりと言っていい。
【道悪適性(◯)】
繋ぎの角度はやや寝ている。形だけで見ると良馬場向きのイメージも、比較的回転の速いフットワークで道中のハミ受けもクビを下げた安定感のあるフォーム。下重心で走れる馬は地面をしっかりとグリップして走ることが出来るで、道悪も問題なくこなせると見た。

ジェネラーレウーノ

(牡3、美浦・矢野英厩舎)

スクリーンヒーロー
シャンハイロック
母父ロックオブジブラルタル
通算成績4戦3勝
重賞勝利 18年京成杯(G3)
連対時平均馬体重496kg (最高:498kg) (最低:496kg)
前走時馬体重496kg
POINT京成杯からの休み明けだが、太くは見せない好仕上がり。背と腹のラインが平行であり、瞬間的な速い脚はないものの、持続力はピカイチ。後躯の骨格形状も近年の活躍馬にしては珍しく平尻によった形状をしており、これはスクリーンヒーローの活躍馬、そして父自身と似通う部分。毛艶も黒光りして代謝の良さが窺え、状態はなかなか良好。気性面に課題は残るが、得意の中山コースで連勝を狙う。
【道悪適性(◎)】
繋ぎはやや長めだが、角度は立っている。同父のゴールドアクター(重馬場のアルゼンチン共和国杯1着)も同じような丸みのある平たい蹄をしており、背中~トモのラインもイメージ的に似通う部分がある。この馬自身も低重心の走りをしていることから、道悪・時計の掛かる馬場でも大きく能力を削がれることは考えづらい。

ジャンダルム

(牡3、栗東・池江寿厩舎)

Kitten’s Joy
Believe
母父Sunday Silence
通算成績4戦2勝
重賞勝利 17年デイリー杯2歳S(G2)
連対時平均馬体重486kg (最高:494kg) (最低:480kg)
前走時馬体重484kg
POINT母がスプリント女王のビリーヴで、距離に限界がありそうな血統背景をしているが、シルエットの割に胴回りに程よいゆとりがあって、2000mくらいまでなら難なくこなせる。弥生賞前は若干野暮ったく見える体付きであったが、一度使った効果でムダ肉がなくなり、見栄えのする立ち姿を披露してくれている。日光の関係もあるが毛艶良好、馬体の張りも申し分なし。前走以上のパフォーマンスをしてくれるはずだ。
【道悪適性(◯)】
ベタ蹄で蹄そのものが薄いタイプ。形だけ見ると道悪は苦手そうなイメージだが、同父のダッシングブレイズも似たような薄いベタ蹄で道悪馬場をこなしており、渋った馬場が全くダメとも言い切れない。走法的にピッチは速い部類に入るので、極端に水分を含んだ馬場で無ければこなせるのでは。

ステルヴィオ

(牡3、美浦・木村厩舎)

ロードカナロア
ラルケット
母父ファルブラヴ
通算成績5戦3勝
重賞勝利 18年フジTVスプリングS(G2)
連対時平均馬体重460kg (最高:466kg) (最低:456kg)
前走時馬体重466kg
POINT父がロードカナロアながら胴周りは比較的ゆとりがあって、フットワークもノビノビとしている。脚も長いタイプで本質的には東京のような広いコース向きであるが、前走は中山1800mの競馬にも難なく対応。能力の高さを見せてくれた。付くべきところに筋肉が付いており、スッキリとしたフォルムでありながら力強さも秘めている。背中には銭形が浮き始めており、状態は抜群に良さそう。ここでも上位争いは必至か。
【道悪適性(△)】
蹄は薄く角度も寝ている。良馬場でこそスピードを活かせる形をしており、またキャリア5戦の中でダノンプレミアムに敗れた2戦を除いて最も苦戦したレースが重馬場だったコスモス賞。跳びも綺麗で一完歩が大きいため、脚質的にもできれば良馬場で本番を迎えたいところ。

タイムフライヤー

(牡3、栗東・松田国厩舎)

ハーツクライ
タイムトラベリング
母父ブライアンズタイム
通算成績6戦3勝
重賞勝利 17年ホープフルステークス(G1)
連対時平均馬体重457kg (最高:460kg) (最低:456kg)
前走時馬体重458kg
POINTハーツクライ産駒らしい曲飛節で、胴周りもゆったりとしている。松田国厩舎の馬は基本的に筋肉量が多いことで知られているが、この馬も決して大きくはない骨格に対して、立派な筋肉を持つ。まだ腰高で幼いところも残っており、既にG1勝ちを挙げているとはいえ、今後さらに飛躍しても不思議ではない。一度使われて体も引き締まってきているし、状態は上向き。得意のコースで巻き返せるかどうか。
【道悪適性(◎)】
近親にダートG1を5勝したタイムパラドックスがおり、本質的に砂血統の一族出身。この馬も掻き込みが強いフォームでダート血統的な雰囲気を感じさせる。繋ぎが長めで蹄自体もやや薄く、父ハーツクライに近い形。ハーツクライ産駒は良馬場よりも道悪のほうが全体的に成績が上がるので、いずれにせよ道悪は上手なイメージ。馬場が渋っても問題ない。

ダブルシャープ

(牡3、栗東・渡辺厩舎)

ベーカバド
メジロルーシュバー
母父アグネスタキオン
通算成績6戦1勝
連対時平均馬体重471kg (最高:472kg) (最低:470kg)
前走時馬体重472kg
POINT折りの深い曲飛で、溜めれば速い脚が使えそうな後肢の構造。ただ、血統的にも体がすこぶる柔らかいタイプではないので、時計の掛かる展開・馬場で差し決着、と好走できる条件が限られてきそうな馬。距離は2000mくらいまでの印象。道営で走っていたように砂もこなせる脚元をしており、荒れた馬場も問題なくこなせそう。道悪になった際に警戒したい存在だ。
【道悪適性(◯)】
繋ぎが短く立っており、ダート適性の高そうな形。ホッカイドウ競馬デビューだったことも納得できる。蹄も厚みがあって、道悪・荒れ馬場も苦にしない印象を受ける。父の産駒は芝でのサンプル数が少ないため血統的には判断しづらいが、ケープクロスの流れなら道悪がダメということは考えづらい。
今週のイチオシ

ワグネリアン

(牡3、栗東・友道厩舎)

ディープインパクト
ミスアンコール
母父キングカメハメハ
通算成績4戦3勝
重賞勝利 17年東京スポーツ杯2歳S(G3)
連対時平均馬体重451kg (最高:454kg) (最低:450kg)
前走時馬体重450kg
POINT馬体重450キロほどと迫力のあるタイプではないものの、コンパクトにまとまったバランスの良い立ち姿。見た目から筋肉量が多く、特にトモの筋肉はくっきりとスジが浮き上がっているように張りは抜群。一度使われて明らかに毛艶が良くなってきたし、肋骨が薄っすら浮いて見えるように1週前にして万全の状態。蹄を見ても本質的に道悪が得意とは言えなさそうだが、それでも野路菊Sで結果を出している辺り、相当に能力が高い。勝ち負けを期待。
【道悪適性(◯)】
ディープインパクト産駒によく見られるベタ蹄で、薄く良馬場向きの形。純粋に脚元の造りだけを見ると、道悪は好材料とは言えなさそう。ただ走法は母母のブロードアピールに似たピッチ寄りの走法で、馬格の割にグリップ力も高いイメージ。ゆえに野路菊Sでも強い競馬を見せたのだと考えられる。一線級相手の道悪がどう出るかが最大のカギとなるが、馬場悪化で割り引く必要は現時点でなさそう。

競馬ラボに掲載されている記事・写真・映像などの無断複製、転載を禁じます。

皐月賞(G1)攻略に欠かせないコンテンツが勢揃い!