元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
キムチジンクスとチームワーク
2022/2/3(木)
皆様、こんにちは!2022年も2月に突入いたしました。我が家では恒例の節分豆まきと恵方巻が実施されます。関西の風習ということですが、今では色々な所で恵方巻も認知されてきているようですね。今年の方角は北北西ということでなのでお間違えなく。ふと2022年2月と書いて気付いたのですが、馬主の佐々木主浩さんは2月22日2時22分生まれでプロ野球選手時代の背番号が22と、2が続く日と縁が深い人です。そのため今年はどこかで佐々木さんの馬が重賞やG1を獲ることがあるかもしれないとふと思いました。皆様もお忘れなく注目していてください!
そして、先週書いた我が家のキムチと戸崎君の勝ち星が繋がる話の結果ですが、キムチを4袋頼んでいたのですが、なんと戸崎君の土日の勝利数も4つとなりました。偶然なのかどうか分かりませんがキムチ圭太説はまだまだ続きます。競馬ラボでコラムを連載している戸崎君ファンの皆様は、我が家まで指定するキムチをよろしくお願い致します(笑)。
それでは先週の競馬の話をしましょう。まずは何といっても根岸S。勝利したのは記念のJRA通算1700勝となった岩田康誠君とテイエムサウスダンのコンビでした。勝利後のインタビューでも「まだまだこれからの馬です!」のコメントには自分自身もまだまだこれからだ!という強い意志と向上心が見え、非常に嬉しい勝利となりました。レースではその強い心をぐっと溜め込み、本来であればもう1列前で追いかけたくなる展開をぐっと我慢させた判断は彼の真骨頂。
調教にも関わり、陣営とじっくりと教え込んできたことが形になり、色々な競馬ができるようになった同馬の勝利はそういった人と人の繋がりが生んだ勝利だったと思います。ベストは1400mと個人的には思いますが、まだまだある伸びしろと陣営の粘り強さで本番のフェブラリーSでも力を見せてもらいたい。そして、岩田康君の久しぶりのG1勝利を見たいですね。
シルクロードSも陣営の積み重ねが結果に繋がるレースとなりました。勝利したメイケイエールは今回、折り返し手綱というものを使用していました。頭の高い馬に使うこともあるのですが、最近はあまり見なくなりました。しかし、試行錯誤した内容、トレーニング、さらに鞍上の技術、これらが重なり合うことで、今までで一番のレースだったのではないでしょうか。
勝利することに大きな意味がありますが、それ以上にほしかった内容を手に入れたレースとなりました。多くのスプリンターが引退したことからも、同じコースで行われる高松宮記念も非常に楽しみになりました。あとはG1特有のファンファーレや観客数などまだまだケアしなくてはいけないこともあるでしょうが、先週の両重賞は感動する勝利だったなと思えました。
今週は東京で東京新聞杯、中京ではきさらぎ賞が行われます。きさらぎ賞は1800mではなく2000mでの開催となりますのでお気をつけください!東京新聞杯ではファインルージュに注目が集まっています。しかし、私個人としてはここでの期待は危ないのではないかと思っています。秋華賞からいきなりの年上との対決、やってきたメンバーの質からもまだ信用に至りません。ここで勝ち切るようなら一気にスターダムへの階段を登れると思うのですが、こういった不安要素があります。
逆に結果を残してきて安定感があるカラテには連覇も期待しています。休み明けでも勝ち切りましたし、今回は更にいい状態になっていると思いますからね。他では左回りで強さを見せるワールドバローズにも楽しみな走りを期待します。今週は荒れる気がしています!一体どんな感動が待っているのか、こうご期待!!
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。