外国産馬を制する者がPOGを制す!最近のPOGドラフトは、社台・ノーザン系の指名頭数を制限するなど『独自ルール』で楽しんでいるグループも多い。重複する可能性が低く、一発の可能性を秘めるのが外国産馬、いわゆる『マル外』だ。2017-18シーズンも、ファルコンSを勝ち、NHKマイルカップ4着のミスターメロディ、小倉2歳Sを勝ったアサクサゲンキ、クラシックに歩を進めたデイリー杯2歳S覇者ジャンダルム、クロッカスSを勝ったリョーノテソーロ、紅梅Sを勝ったモルトアレグロなど活躍馬が多く出現した。競馬ラボの編集部は海外セールをくまなくチェック。日本の関係者が落札した2歳馬の中から、G1戦線に乗ってくる可能性を感じる"秘密兵器"を取り上げる。

マル外"秘密兵器"リスト

父War Front×母River Belle
(牡、落札OBSスプリングセール 72.5万ドル)
調教2F21.2秒

【ポイント】走る馬でしょう。ウォーフロント牡馬で、少し前腕のほうに重心が寄っている感じがある体つき。調教は加速部分、そして直線半ばでまだ若さを見せたりと全体的に粗め。ただ注目したいのは4角からの蹴り上げられた砂の高さ。アメリカのトレーニングセールでもここまで高く砂が上がるのは珍しい。来日が今から楽しみ。ウォーフロント産駒が日本とまだフィットしていない点は気になるものの、馬のレベルは相当。

父Speightstown×母Glinda the Good
(牡、落札OBSスプリングセール 70万ドル)
調教1F10.0秒

【ポイント】半兄に昨年のBCジュベナイルの勝ち馬で、今年のケンタッキーダービー2着馬グッドマジック。調教もかなりいい。走りに大きなブレもなく、頭を上げることもなく、経験上こういうスパイツタウンは外れない。脚の回転も速い。デビューは早くて10月東京も、楽しみな馬。育て方次第で芝でも走れそう。

父Cairo Prince×母Dattts Lady Di
(牡、落札ファシグティプトンガルフストリームセール 40万ドル)
調教1F10.4秒

【ポイント】伯母に重賞5勝のグラッブユアハート。父はパイオニアオブザナイル産駒の新種牡馬。産駒の形がいい馬が数多くアメリカのセリに上場されており、活躍が期待されている。吉田勝己社長が落としたあたり、やはりノーザンファームはエンパイアメーカーの系統にかなりの期待を掛けているのだと思う。パワフルなフォームで、追って頭が上がらない。まだ本気で馬を作っていない状態という感じで、その状態であればこの走りは十分。かなり好感触がもてる調教だった。追ってから味がありそうな、このようなカイロプリンス産駒を日本で見たかっただけに、楽しみ。

マキ(牡、父Pioneerof the Nile×母Life well lived)
(落札 キーンランドセプテンバーセール 35万ドル)

【ポイント】昨年のキーンランドセプテンバーで落とされた牡馬。セール前の写真を見るとすぐに分かるくらい、非常にアンバランスな馬体だった。典型的なトモ高。筋肉の付き方は良かったものの、成長待ちといった感じ。実際牧場撮影の動画もバランスの悪さも目立った。しかしセールに出てきた時はもう馬が違っており、見て分かるくらい前腕が発達し、バランスが良くなりつつあった。かなり成長力があるのかもしれない馬。すでに美浦・手塚厩舎に入厩してデビューが近いという順調さを見せており、いい成長を辿っているのだろうと推測する。芝、ダート両方走れそうで、活躍の場は広そうだ。

ラスベガステソーロ(牡、父Tiznow×母Garden District)
(落札 ファシグティプトンサラトガセール 45万ドル)

【ポイント】ファシグティプトンサラトガセール出身の了徳寺オーナー所有馬にリエノテソーロがいる。1歳夏の段階で、とても1歳夏とは思えないくらいの馬体の迫力があった。祖母は米G3で2着があるだけと、そこまで活躍馬がいる牝系ではないが、馬単体で見ればいい。早期から活躍が見込めること、芝もダートも走れそうなことから幅は広そうだ。