初めての個人所有馬ジャスタウェイがレーティング世界No.1の評価を獲得し、種牡馬に。
人並み外れた馬運の持ち主が脚本家という本業のキャリアを活かし、馬主ライフを書き下ろします。
『夢の配合』
2022/10/14(金)
皆さん、こんにちは。ライター大和屋です。我が愛馬エルデストサン未勝利戦を快勝しました。芝の新馬戦、未勝利戦を2着、2着ときていましたが、今回ダートに変更して臨んだ一戦。勝ってくれるだろうとは思っていましたが、結果は8馬身差の1着。予想以上の快勝でした。
レースは阪神ダート1800mの未勝利戦。もともと東京の1600mのダート未勝利戦に前走、前々走と乗ってくれていたルメール騎手で挑む予定でしたが東京のレースを除外されてしまい(最近うちの馬が除外されまくっていたりします)、阪神のレースに舵を切った形となりました。鞍上は現在リーディン1位の川田将雅騎手。なんとも豪華な乗り替わりです。川田騎手に乗ってもらうのはカリボールのレース以来となります。ちなみに芝を2戦してダートを使うことになったのはルメール騎手の進言だったそうです。普通芝のレースで2着2着と来ていたら次も芝でと思いますが、須貝先生やルメール騎手の判断はダートとのこと。その結果があのレースですのでさすがとしか言いようがありません。
レースは大外11番からの出走。まずまずのスタートを決めると先行集団にとりつき1コーナーをすぎるあたりで先頭に立ちました。少し離した形での逃げはマイペースで気持ちがよさそうに見えました。向こう正面になっても手ごたえは上々。
3コーナーで他の馬が仕掛けている姿を見たときにはもう勝利を確信していたのは内緒です。直線に向くと川田騎手が軽く仕掛けますよという感じで追い出すと、みるみる差が開いていきました。久しぶりに安心してみていられるゴール前、鞭などいらぬ余裕を持ってのゴール。
エルデストサンは父ジャスタウェイ、母イイナヅケ、姉に全姉弟のジャスコがいる血統。というか父も母も私の所有馬です。経緯としてはジャスタウェイが種牡馬になれそうだとなった時に、では花嫁を確保しておこうとセレクトセールでイイナヅケを購入しました。その頃はサンデーサイレンスの血統がどの馬にもこれでもかと入っている頃で(そういうジャスタウェイにもイイナヅケにも入っています)ジャス君と配合できる牝馬を探すのが結構大変だった記憶があります。無事なんとか落札、名前の由来もジャスタウェイの花嫁さんということでイイナヅケという名前をつけました。遡るとブロードアピールなんかがいる血統、さらには買った時にはまだ走っていなかったワグネリアンが近親にいる血統です。
お母さんの現役時代は脚元に不安があったせいか結果を残せませんでしたが、地方で3勝、中央入着という成績で現役を終了、ノーザンファームに受け入れてもらい繫殖牝馬となることができました。その後は予定通り、毎年順調に種付けをこなしジャスタウェイの子供を毎年無事に産んでくれております(1歳牝馬、当歳牡馬もそれぞれ順調に育成中です)。その2番目の子供が長男であるエルデストサンということになります。
ちなみにJRAでは繁殖牝馬所有者賞というものがありまして、通常の賞金だけでなくこちらもいただけることになるのです。未勝利戦の1着賞金は約40万とどこかで書いてありました。イイナヅケを所有しているのは私なのでこちらも頂けるのです。これはイイナヅケへの賞金ということになるのでしょう。馬を所有している限り飼葉代は発生しつづけるのでとってもありがたいことですね。助かります。
とまあそんなこんなで未勝利戦突破です。次はどこを使うのかは定かではありませんが、次もあっさり勝ってくれるようでしたら、もろもろ本当に楽しみになってくるかと思われます。ブリンカー効果もあったと思われますのでもしかしたらというか、芝でも2着を2回しているので適性がないということはないでしょう。集中して走るようになったことがこの快勝の原因だとすれば芝でもやれるのではないかと妄想するのもありでしょう。
勿論ダート路線でいくとしても楽しみです。勝ち方が派手なだけに期待はとても高まります。2歳のうちに勝ち上がれるといろいろと妄想できてとても楽しいです。とにもかくにもこのまま順調にいってほしいです。さらに妄想させてもらえばジャスタウェイ産駒の代表産駒にまで駆け上がってもらってお父さんの種付け料をあげてもらえるととても助かります。とにもかくにも順調にいってほしい。
オツウもイイナヅケもマダムジェニファーも良い仔を出してくれて本当に助かります。繁殖牝馬を所有してその子達が順調に走ってくれているのがどれだけ奇跡的なことなのかはわかっているのですけれど、ここまで皆ががんばってくれていると、僕の競馬運もまだまだ尽きてはいないようだと思ってもよさそうですね。競馬の神様にそっぽを向かれないようにこれからも頑張っていきたいと思います。
そんなこんなで今週末は我が愛馬達の総大将といえるでしょう。OP馬のカリボールが新潟のOP特別に出走を予定しています。登録が40頭というレースですが果たして出走できるのでしょうか?できたらいいなと思いつつ。週末を待ちたいと思います(出走可能)。
キングロコマイカイはそろそろ栗東に戻ってくるころかと思われます。オツウの仔オシゲちゃん(馬名決まりました)は吉澤ステーブルでしばし調整するとのことです。他、ジャスコは福島競馬を目標に調整中です。前走は雨で能力をまったく発揮できなかったようですので、ここで巻き返して欲しいですね。さらにはプリティジェニーが、ダートの1400mを使ってくるとのことです。来週か再来週の阪神あたりに出走を予定しているとのことです。
どの馬にも頑張ってほしいですが、まずは2歳馬エルデストサンが勝ち上がってくれたのはとても嬉しいことです。ジェニーもオシゲも後に続いてくれることを祈ります。今年の好調は言うまでもありませんが、関係各所の皆さんの努力のお陰です。ありがとうございます!
了
プロフィール
大和屋 暁 - Akatsuki Yamatoya
脚本家・作詞家・ライター。若くして一口馬主に出資を始め、クラブ馬主歴2年目にハーツクライと運命的な出会いを果たすと、有馬記念、ドバイシーマクラシックを制す大活躍。しかし、ノド鳴りによるアクシデントに見まわれ、突如として引退したことに一念発起、馬主になる決心を固めた。個人馬主としては、初めてデビューを果たした所有馬ジャスタウェイが大活躍の強運ぶりを発揮。遂には、目標であったドバイ遠征を実現させ、ドバイデューティーフリー(現在のドバイターフ)を圧勝。「自らの馬でドバイを勝つという」夢を実現させたばかりでなく、そのパフォーマンスが評価され、2014年度のワールドベストレースホースランキングでは、日本馬史上初の1位を獲得している。
現在の現役所有馬はカリボール、マジカルステージ、ジャスコ、キングロコマイカイ。一口馬主や共有馬ではアウィルアウェイ、ルーツドール、イストワールファムなどに出資している。
本業ではアニメ版「銀魂」、「スーパー戦隊シリーズ」などの脚本を手がけ、2020年公開の映画「デジモンアドベンチャー」も担当。愛馬との数年間に及ぶ足跡を綿密に綴った『ジャスタウェイな本』などの執筆も手がけた。