【今週の注目新馬チェック】東京新馬戦を圧勝した超良血馬の評価は…

ブルトガング

力強い末脚で一気に抜け出し圧勝したブルトガング

◆6月22日(土)3回東京7日目5R 2歳新馬(芝1800m)
ブルトガング(牡2、美浦・手塚厩舎) C.ルメール騎手
父:ディープインパクト
母:タピッツフライ
母父:Tapit
レース評価:★★★☆☆

母タピッツフライは米芝マイルG1ジャストアゲームS、同じく米芝マイルG1ファーストレディSと米G1を2勝。全姉グランアレグリアは今年の桜花賞を快勝している。いわゆる超良血馬で、前評判も高かった馬。スタートは一息で後方からとなり、少しずつポジションを上げると、直線ではグングン伸びて後続を突き放し、終わってみれば2着に4馬身の差をつける圧勝劇だった。前評判通り素質は高い。

ただ前半1000m62.4のペースもフィットした印象。ペースが速くなったりした場合、そして小回りコースでどうなるかなど、まだ課題は多い。その分☆3つとした。騎乗したルメール騎手は「ゲートの中は大人しかったですけど、開く時にビックリしてしまいました。まだ子供っぽくてフラフラしていましたが、反応は速く、能力がありますね」と能力を評価しつつ、課題も口にする。全姉は折り合いに課題があったものの、弟はルメール騎手が「姉と違うタイプですし、距離も持ちそうです」と語るように、中距離を専門としそうだ。


◆6月23日(日)3回阪神8日目5R 2歳新馬(芝1800m)
レッドベルジュール(牡2、栗東・藤原英厩舎) 福永祐一騎手
父:ディープインパクト
母:レッドファンタジア
母父:Unbridled’s Song
レース評価:★★★☆☆

大外から好スタートを切ったレッドベルジュールが少し掛かりながらも2番手を追走。逃げ馬を見ながらいい手応えで直線に向くと、逃げ粘るメイショウボサツを残り100m付近で捉え、最後はクビ差競り落とした。相手が減量騎手で3kgも軽かったこと、1000m通過64.7秒というスローペースを考えればラストよく競り落としたと言ってもいい。ここ2ヶ月近く在厩で乗り込んだ効果もあっただろう。

母は未勝利に終わったが、母の姉インランジェリーは米G1スピンスターS勝ち馬という良血。良馬場とはいえ見た目以上にパワーのいる阪神芝の新馬戦で上がり3F33.8という数字も優秀。福永騎手も「まだまだ粗削り」と評するように、今日はしっかり勝ち切ったことを評価すべきだろう。星3つとしているが、星4つに近い3つという評価を与えられる内容であった。距離はもう少し延びてもこなせそうだ。


ラウダシオン

競馬センスの高さを披露したラウダシオン

◆6月22日(土)3回阪神7日目5R 2歳新馬(芝1200m)
ラウダシオン(牡2、栗東・斉藤崇厩舎) 福永祐一騎手
父:リアルインパクト
母:アンティフォナ
母父:Songandaprayer
レース評価:★★★☆☆

ゲートに入るのは遅かったが、しっかり出て3番手で追走。手応えも良く、馬なりで前に並び掛け、しっかりした脚取りで抜け出した。センスがあり、競馬の上手いタイプ。騎乗した福永騎手も「立ち回りが上手い」と褒めるように、見ていて安心感のある馬だ。リアルインパクト産駒らしく仕上がりも早く、完成度は高いが伸びしろも秘めている。現在準OPに在籍する半兄のアンブロジオもこのタイプで、好位を取って押し切るスタイルは兄と同様。

叔母の京都牝馬S3着馬スナッチマインドなど、スナッチドの一族は堅実に走る馬が多い。逆に言えば爆発力に欠けるところがあるため星3つに留めたが、更に上のクラスに行けるだけの力はある。今後の成長に期待していきたい素材だ。


サナチャン

素軽い反応を見せて後続を封じたサナチャン

◆6月23日(日)3回東京8日目5R 2歳新馬(芝1600m)
サナチャン(牝2、美浦・武藤厩舎) 武士沢友治騎手
父:マジェスティックウォリアー
母:ヒシパール
母父:ディープインパクト
レース評価:★★☆☆☆

内枠から先行集団に取り付くと、少し掛かる面を見せながらも4、5番手で追走。直線に入って前がバラけたところで鋭く伸び、早めに抜け出して後続を封じた。センスの良さに見どころがあり、抜け出す時の反応の良さも評価されるべきところだろう。騎乗した武士沢友治騎手は「真面目過ぎる気性ですが、雨でちょうどいい馬場になってくれました。先週ダートを除外になりましたが、芝でもやれますね」と笑顔を見せる。