【中山グランドジャンプ】充実期迎えたミッキーメテオ!巻き返し狙う指揮官が語る感触

ここにきて充実ぶりが目立つミッキーメテオ

ここにきて充実ぶりが目立つミッキーメテオ


■中山グランドジャンプ
ミッキーメテオ(牡6、美浦・西田厩舎)
西田雄一郎調教師

——阪神スプリングジャンプのとき五十嵐騎手に話を聞いたら「西田厩舎にきて、1回競馬を使った後夏場に休ませたことが良かったと思う」と話していました。どのような考えがあって馬を休ませたのか教えてください。

西田調教師(以下、西):転厩してきて元々飛越が上手な馬でしたが、トモに弱さがありました。そのなかで未勝利戦で4着にきたので、もう少しトモを良くしたかったことが理由のひとつです。

もうひとつはそれまで真夏に競馬を使われたことが少なかったので、ムリに使って夏負けをしても良くないと思ったことが理由です。転厩初戦はトモの状態など半信半疑の状況で4着と頑張りましたし、あれならパンとすれば更にパフォーマンスが上がると思いました。

それでオーナーのご理解もあって、夏場は北海道のノーザンファーム空港牧場で休ませました。元々育成時代を過ごした故郷へ帰って、競馬で疲れたメンタルも癒やされたと思います。

——その効果もあってか未勝利、イルミネーションジャンプを連勝します。その後のレースに阪神スプリングジャンプを選んだ意図は。

西:転厩前の話に遡りますが、平場で使っているときから馬が途中で止めることを覚えてしまったようです。障害転向後も着に来ていましたが、乗っていた西谷は騎手時代の同期なので話を聞いてみたら、やっぱり出したら止めてしまうと話していました。

その点から、あまり間隔を詰めて使うのは良くないかと考えていました。なので元々イルミネーションに向かうときは、大障害のことは考えずイルミネーションに対して仕上げていって、そこでどういうレースをするかという思いだったんです。

パフォーマンスが良かったからといって大障害に向かうのは元々予定していたプランと違いますし、あそこからもう1回G1に向けて仕上げていくことで馬が精神的に嫌気を差してしまうのも良くないと思いました。

それで脚元の状態を見てしっかり疲れを取ってから次走予定を考えるなかで、オーナーや五十嵐騎手と相談して阪神スプリングジャンプが良いのではないかという話になりました。

——阪神スプリングジャンプを振り返っていかがですか。

西:イルミネーション後にノーザンファーム天栄へ放牧に出して、しっかり筋肉が付いて体が増えていたのでプラス10キロくらいで臨めるかと思っていましたが、実際はプラマイゼロでした。こちらが予想したより輸送が堪えたのかなと考えています。

今思えば装鞍所でもいつもよりソワソワしていた感じがしますし、飛越もいつものメテオよりいくつか雑になっていました。ウチの厩舎にきて長距離輸送は初めてだったので、今後対策をしていこうと考えています。

——この中間はどのような点に気を付けて調整されていますか。

西:前走が本来の飛越と違って左に傾いて飛んでいたので、しっかり飛越練習をしながら馬のバランスを重視して調整しています。予定通り良いバランスで飛越出来るようになっていますし、普通キャンターでも左右のブレなく真っ直ぐ走れています。レース2週前と1週前はどちらも火曜日に障害を飛ばして、中1日空けて木曜日に追い切るという流れで調整しています。

——転厩して約1年経ちましたが、性格など特徴についてはどのように感じていらっしゃいますか。

西:元々人に従順ですし、気の悪さを出すことはありません。障害も自分で形を作って飛ぶ優等生ですし、こちらが手を焼くタイプではありませんよ。

——五十嵐騎手は、ミッキーメテオ以外にも今年3月にはショウナンアストラとのコンビで勝利をあげています。共にG1を闘うパートナーとしてどうご覧になっていますか。

西:頼もしいですよ。技術がありますし、ベテランの域に入って落ち着いて乗ってくれるジョッキーです。

——厩舎初のG1挑戦になりますが、意気込みを。

西:意気込みはありません(笑)。人間が気負って前のめりになっても、馬の負担になるだけですから。スタッフがG1で気持ち的に盛り上がることはあると思いますが、厩舎全員が熱くなるのは良くないので、僕は冷静に馬を見られる環境を作ることが大事だと思っています。

G1だからといってヘンに意気込まず、至って普段通りに競馬に向かえれば、と思っています。