【安田記念】更に上昇リスグラシュー矢作師「自分の予想以上に良くなっている」

リスグラシュー

前走以上の気配を見せるリスグラシュー

30日、安田記念(G1)の追い切りが栗東トレセンで行われた。

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前走、ヴィクトリアM2着のリスグラシュー(牝4、栗東・矢作厩舎)は、助手を背に坂路で追われ、4F53.6-38.3-24.4-11.9秒をマークした。

また、ドバイターフ3着以来の帰国初戦となるリアルスティール(牡6、栗東・矢作厩舎)は、岩田康誠騎手を背に坂路で追われ、4F51.7-37.7-24.4-11.9秒をマークした。

このレースには、先週の安土城Sで2着だったモズアスコット(牡4、栗東・矢作厩舎)も登録している。

【矢作芳人調教師のコメント】
「(リスグラシューについて、ヴィクトリアMを振り返って) 何ともいえないですね。負けたという事しかないですね。直線で伸びないのかと思いましたが、そこからまた伸びてきたのは底力なのかなと。負けたけども強い競馬ではあったと思います。春の大目標だったので、しっかり仕上げましたし、あの馬のパフォーマンスは出してくれたと思います。運だけがなかったと感じています。

(レース後のダメージは)今、言った通り、あそこが大目標だったので、目一杯仕上げましたし、正直3週間でどれだけ戻せるか、維持できるかと心配をしていましたが、意外とダメージは少なかったですね。ウチのいつものパターンで、1週前は金曜日、そして今日と2本追い切りを消化しましたが、至って順調です。ラストだけは気持ちを乗せておこうかというだけで、あとはリラックスして走らせるという追い切りでした。自分の予想以上に良くなっていると思います。

(東京新聞杯では牡馬に勝利)男、女は関係ないと思います。ただ、その時よりは今回の方がメンバーが強いので、あくまでチャレンジャーであることは間違いないなと思います。(牡馬とは2キロの斤量差)東京新聞杯に比べると重量は有利かなと思いますし、自分が思っていたよりも良くなって、ヴィクトリアマイルよりも状態はむしろいいんじゃないかと思います。

(4歳となって成長、変化は?)常々馬が細いとか、カイバ食い、輸送といろいろ言われてきたし、現実に課題があった馬ですが、今年になってからは安定したと言いますか、あまりそういうことを心配しなくてよくなったのが成長と思います。このレースに挑戦することを決めた時は、いかに馬の状態を維持できるかと考えていましたが、この3週間で、凄く馬が良くなったので楽しみですね。あくまでチャレンジャーの立場ですが、気楽に楽しみたいと思いますし、能力的にはチャンスがあると思っています。

(リアルスティールについて)勝った時よりはメンバーが強かったのかなということと、展開もありましたし、時計的には勝った時よりも速い時計で走っていますので、能力の衰えというのは感じなかったですね。以前は折り合いという面が不安だったので、あまり攻められないなというのがあったのですが、むしろ最近は折り合いに関しては心配がないので、自分としては攻めて状態を上げてきたという調教過程と思います。

(1週前は岩田騎手を背に坂路調教)この馬は常にそうですが、馬の後ろで折り合いを見てラストを伸ばすという追い切りでした。(その評価は?)もう一つだなと思いました。普通の馬でいえば、かなりいい動きだと思いますが、あの馬の絶好調を知っている人間としては、先週の時点ではもう一つだなと思いました。(それを受けての最終追い切りは?)全体の時計は僕の指示より早かったのですが、先週までは『今週は調教助手を乗せてラストだけ』という予定が、先週の動きを踏まえて、今日も岩田くんに乗ってもらって攻める調教ができたかなと思います。上がってきているという感じはしました。2年前に安田記念で惨敗した時は、ドバイで勝ったあとで、人間にも『負けられない』という力みがあって、仕上げすぎたイメージがあったので、今回は少し下の方から上げていくようなイメージでやりました。だいぶ上がってきたなという、最後のひと追いで本当に良くなってくれるのではないかと思っています。

(前回の安田記念とは仕上げ過程が違う?)そうですね。あまり惨敗する馬ではないのが、一番の惨敗という負け方をしたので、そこは変えていきました。(久々のマイルへの対応は?)むしろ向いていると思うのですけどね。折り合いに何の心配もいらないですし、東京のマイルということであれば向いていると僕は考えています。まだ1回しか使っていないので、向いているか向いていないかハッキリとは分からないですが、イメージとしては向いていると思います。

(勝てば10億円ホース)そうですか。お金のことは考えていないです(笑)。国内でG1を獲っていないので、何とかもう一つ勲章を国内で。基本的に今年いっぱいかと思っていますので、何としても国内でG1をという思いは強いです。

(モズアスコットについて)内容的には悪くない内容だったと思います。馬場の状態を考えてもあの外から伸びてくるのは厳しい状態でしたので、悪くはなかったと思います。(オープンでの4戦を振り返って)ちょっとツキもないかな。阪急杯にしても、マイラーズCにしても勝っている競馬ではないかなと。展開にツキがないかなと感じていますし、持っている能力に関しては全く疑いようがないと思います。

(レースに向けての調整は)疲れを取ることが主眼になりますが、連闘は僕の一番得意なローテーションなので、何も心配はしていません。(改めてみると、凄い血統ですね?)よく買えたなと思います。まだデビューして1年経つか経たないかですよね。それを思えば凄い馬だと思いますし、当初からいろいろな不安があってわざと使い出しを遅くしたのですが、それを待ってくれたオーナーにも感謝していますし、先々、世界的な種馬にするためにもやはりG1が欲しいなと思っています。

(デビューからここが変わってきたという点は?)最初からいい馬でしたからね。馬に伸びがでてきたなと感じていますが、あとは精神面でしょうか。少しずつ成長していると感じていますが、まだ子どもです。(斤量58キロは?)あの背中ですから、重量に関しては心配していません。心強いジョッキー(C.ルメール騎手が騎乗予定)が乗ってくれますので、彼にお任せして、彼のマジックを見せてもらおうかなと思っています」

リアルスティール

2年前のリベンジに燃えるリアルスティール

矢作芳人調教師

3頭出しで挑む矢作芳人調教師