
騎手時代に約20万人が来場した90年ダービーをアイネスフウジンで逃げ切った中野栄治元調教師が、
独自の視点で重賞の好調教馬を導き出します!
【弥生賞】レジェンドも認めるパワーアップ!この距離なら主役級!
2025/3/8(土)
一週前 栗東ウッド(良) | ||||||
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79.9 | 65.6 | 51.8 | 37.0 | 11.8 | 強め |
今週は弥生賞だね。このレース名を見ると、いよいよクラシックが始まるな~という感覚になるものだ。
以前はクラシック登竜門とも言われていたレース。最近は様々なローテーションがあるからそういう言い方はされなくなってきたけれど、皐月賞と同じ条件だからね。本番に向けて注目のレースであることは間違いない。
弥生賞といえばやっぱりアイネスフウジン。懐かしいなぁ、枠連時代で当時は単枠指定になっていたんだ。単枠指定って知ってる?最近の若いファンの子はもう縁のない言葉かもしれないね。
あの日は不良馬場でね。管理する加藤修甫先生には「外を回します」と言ってレースを迎えて、実際に外を回したんだ。内から6頭分は外にいたかな。100mくらいは余分に走ったと思う。それで結果は4着。観客席からはかなりのブーイングだったよ(笑)
でもね、この作戦には理由があったんだ。馬って一度ノメったりすると気を遣って走る癖がついてしまうから仕方なかったんだ。それだけ僕はダービーを意識していたからね。
今日も前置きが長くなってしまったけれど、今週のナンバーワンはミュージアムマイル。朝日杯FS2着馬だ。その前走から筋肉も付いたようで、パワーアップした印象を受ける。
それでいて動きが柔らかかったし、全体的にリラックスして走っていたのが良かった。かなりいい仕上がりだと思う。マイルより2000mの方が競馬がしやすそうだよね。
レディネスもいいね。折り合いもついて反応も良かった。ノリ(横山典弘騎手)が付きっ切りで追い切りに乗ってるんだから、相当気があるんじゃないかな。
あとはジュタ。追い切りの時計は速かったけれど、押さえ切れない感じで走る気満々だった。それでも引っ掛かっているわけではないし、状態は前走以上だね。
最後にヴィンセンシオ。先週、今週とビシッとやってきた。なので太いのかなと思いきや、太め感なく終いもシッカリと伸びてきたし力強かったよ。

エコテーラー
9頭立てと少頭数の一戦。これはエコテーラーの単騎逃げになるんじゃないかな。(武)豊くんは逃がしたら天下一品。内も悪くないし、逃げ粘れると見た。
プロフィール
【中野 栄治】Eiji Nakano
1953年大分県生まれ、東京都出身。父は大井の元調教師という家庭で育ち、1971年に騎手デビュー。数多くの活躍馬に騎乗し、約20万人が詰めかけた1990年日本ダービーをアイネスフウジンで逃げ切り伝説を作る。1995年には調教師に転身。短距離G1を2勝したトロットスターなどを育て、日本競馬にその名を残した名ホースマン。