POG本も全てが出そろい、巷のPOGファンは来年のクラシックに向けて早くも勉強を始めている人も多いことだろう。関東では母タピッツフライ、関西では母リアアントニアの評判がやたら良いようだが、このあたりはドラフト1位が濃厚。獲りに行くのはいいが、指名が重なるのは必至だ。ちなみに私は昨年、複数のPOGでグランアレグリアを1位指名したが、すべて抽選負け。代わりに指名した馬は、現在も未勝利(故障で休養)である……。

5月11日(土)

【東京】

◆夏木立賞(芝2000m)

ヴァンランディ(牡、キングカメハメハ×ハッピーパス、美浦・藤沢和厩舎)
全兄にコディーノ(重賞2勝)、全姉にチェッキーノ(フローラS勝ち馬)がおり、POGではお馴染みの一族。2戦目の未勝利戦でレコード勝ち。3か月半ぶりの前走は3着だった。「前走は展開と位置取りの差で、終いはしっかり伸びていた。直線の長いコースの方が持ち味が生きる」と津曲助手。鞍上はルメール騎手。

グレルグリーン(牡、ヴァーミリアン×ウメノフアイバー、美浦・相沢厩舎)
新馬戦は2着も、その後はなかなか勝てず、デビューから8戦目に初勝利。格上げ初戦の山藤賞は、後方から追い上げて勝ち馬から時計差無しの3着。上り3Fはメンバー唯一の33秒台で、終いの脚は目立っていた。母はオークス馬ウメノファイバー。母譲りの末脚で、初勝利は時間がかかったが、2勝目は早そうだ。

サトノエルドール(牡、ディープインパクト×ミゼリコルデ、美浦・国枝厩舎)
デビューから6戦を、2着が2回、3着が4回と惜敗続き。POGで持っている人はいらいらしたことと思うが、前走は鬱憤を晴らすように上り33秒1の脚で追い込みを決めた。あの脚なら、500万でもすぐに勝ち負けできる。

◆500万下(牝、ダート1400m)

ヒイナヅキ(牝、トピーズコーナー×シスターエレキング、美浦・林厩舎)
前走は藤田菜七子騎手騎乗で51キロも有利だったが、2着に6馬身差の楽勝なら、斤量だけで勝ったわけではない。すんなり先行できれば、500万でもやれる。

イベリスリーフ(牝、ヘニーヒューズ×クローバーリーフ、美浦・中舘厩舎)
未勝利戦は好タイム勝ちも、格上げ初戦の前走は大敗。出遅れて砂を被り行く気を無くしたということなので、力負けではない。外枠を引けば、巻き返しもある。

◆未勝利(牝、ダート1600m)

メジャーセブンス(牝、ダイワメジャー×サンデア、美浦・小笠厩舎)
デビュー戦から2戦連続3着。だが初戦は勝ち馬から1・2秒差、2戦目は0・3秒差と、同じ3着でも差は大きく詰めている。デビューから3戦目で、そろそろ勝機だ。鞍上は田辺騎手。

【京都】

◆500万下(芝2000m)

ヒンドゥタイムズ(牡、ハービンジャー×マハーバーラタ、栗東・斉藤崇厩舎)
新馬戦は3馬身半差の楽勝。続く京成杯は3着に入線し、先の青葉賞でハナ差2着だったランフォザローゼスを、クビ差まで追い詰めた。久々になるが仕上がりは良好で、平場戦では力が違うだろう。

【新潟】

◆はやぶさ賞(芝1000m)

グラウシュトラール(牡、スウェプトオーヴァーボード×フォーミー、美浦・大竹厩舎)
前走は12番人気の人気薄で1着。勝ち時計の1分9秒2は、当日の八代特別が1分8秒6だから上々だ。ハイペースを楽々2番手で追走したスピードから、千直コースも対応できるだろう。

◆未勝利(芝2400m)

ラヴィアンレーヴ(牡、ディープインパクト×レーヴディマン、美浦・田村厩舎)
新馬戦は心房細動で大差負け。3か月ぶりの前走は2着に来ている。長く脚が使えるタイプで、東京変わりはプラスだ。

◆未勝利(芝2000m)

レッドエンヴィー(牡、ジャスタウェイ×スタイルリスティック、栗東・須貝厩舎)
半兄レッドアンシェル(アーリントンC2着)。ここまで8戦し、3着が3回ある。前走の6着は距離が長かったか。ここまで4,3,3着の2000m戦で巻き返す。

アディクション(牝、ハーツクライ×アディクティド、美浦・木村厩舎)
半兄は、先日のオーストラリアのG1で怪物ウィンクスの2着に入ったクルーガー。新馬戦3着後、2戦目で11着と大きく崩れたが、ブリンカーをつけた前走は3着と復調。上昇気流に乗り、初勝利を目指す。

◆未勝利(牝、芝1800m)

ラハイナヌーン(牝、カフェラピード×ラハイナ、栗東・山内厩舎)
デビューから2戦は後方から差を詰めた程度だったが、先行した前走で大変身。「早め先頭の競馬でさすがに最後は差されてしまったが、2着はキープしたように力は示した。牝馬同士だし、チャンスは近いだろう」と山内師。新潟コースが合うかは微妙も、前走同様先行して粘りたい。鞍上は西村淳騎手。


5月12日(日)

【東京】

◆青竜S(ダート1600m)

デュープロセス(牡、DiwaMajor×RoseLow、栗東・安田隆厩舎)
新馬戦はケイアイターコイズにクビ差で敗れたが、その後は未勝利、500万、昇竜Sと3連勝。特に前走の上り3F35秒2は、ダートでは目立つ時計だ。ここまで4戦は1400mだが、1Fの延長程度なら問題ない。ここも好勝負必至。

カフェクラウン(牡、Mineshaft×TwoTrailSioux、美浦・堀厩舎)
新馬戦は10馬身差の大楽勝。前走も単勝1・1倍の断然人気に応えて快勝している。相手は一気に強化されるが、素質では劣らない。

アガラス(牡、ブラックタイド×ロッシェノワール、美浦・古賀慎厩舎)
NHKマイルCに向かうと思われたが、新味を求めてダート戦へ。半兄はダートで活躍しているが、その馬は父がゴールドアリュール。父がブラックタイドで、トビも大きい当馬は、ダートが果たして向くのか。かかる面があるのと、切れ味がないことを考えると、変身する可能性もある。鞍上はルメール騎手。

◆500万下(芝1400m)

トロシュナ(牝、スクリーンヒーロー×スーヴェニアギフト、美浦・大竹厩舎)
新馬勝ちして阪神JFに挑戦も、さすがに厳しく10着。自己条件に戻した前走は、3着に入線している。好位で競馬ができるので、大崩れは無さそうだ。鞍上はルメール騎手。

◆未勝利(芝2000m)

ライル(牡、ディープインパクト×ライラックスアンドレース、美浦・手塚厩舎)
半姉はラッキーライラック(阪神JF勝ち馬)。新馬戦3着の時は初勝利は早いと思われたが、その後2戦は2,4着。「前走はいくらかスムーズさを欠いての4着。初の東京だが、広々としたコースでノビノビと走らせることができれば」と手塚師。話にもあるが、東京変わりを味方に勝利を挙げたい。鞍上はルメール騎手。

◆未勝利(牝、芝1800m)

グロリアーナ(牝、ハーツクライ×ベネンシアドール、美浦・木村厩舎)
半姉デニムアンドルビー(G1で2着2回)、全姉ラーゴブルー(交流重賞マリーンC1着)、半兄キタノコマンドール(すみれS1着)など、上は活躍馬が並ぶ。夏の福島戦で2着後に骨折が判明。9か月ぶりとなった前走で2着といきなり結果を出し、高い能力を示した。叩き2戦目で鞍上に川田騎手を迎え、初勝利の準備は整った。

【京都】

◆500万下(牝、芝1600m)

アルティマリガーレ(牝、ハービンジャー×アルティマトゥーレ、栗東・佐々木厩舎)
母は重賞2勝。半姉にオープン特別勝ちのアルティマブラッド(6勝)がいる。3月23日の未勝利戦でデビューし、経験馬を相手に見事な差し切りを決めている。血統的にも伸びしろは大きく、2連勝も可能だ。鞍上は幸騎手。

ミッキーバディーラ(牝、ディープインパクト×バディーラ、栗東・音無厩舎)
全兄はダノンプラチナ(朝日杯FS勝ち馬)。デビューから3戦連続2着、その後2戦は3着と崩れないものの少しずつ成績を落としていたが、前走は早めに抜け出し待望の初勝利を挙げた。これまでクリノガウディー、シゲルピンクダイヤと後のGⅠ連対馬を相手に2着しており、500万でも十分通用する。

クロウエア(牝、トーセンホマレボシ×ピンクアリエス、栗東・羽月厩舎)
3月31日の未勝利戦でデビュー。かなり骨っぽいメンバだったが、そんな経験馬相手に3馬身差の快勝と高い資質を感じさせた。ノーザンFの馬にしては地味な血統だが、秘めている能力は高い。

◆未勝利(芝1800m)

シルヴァーソニック(牡、オルフェーヴル×エアトゥーレ、栗東・池江厩舎)
母は重賞勝ち馬、半兄にキャプテントゥーレ(皐月賞馬)、クランモンタナ(小倉記念勝ち馬)、アルティマトゥーレ(重賞2勝)と活躍馬が並ぶ。ここまで2戦連続で2着。特に前走はハナ差負けだから痛かった。POG期間内になんとか1勝は挙げたい。鞍上はアヴドゥラ騎手。

◆未勝利(牝、芝2000m)

モアナアネラ(牝、キングカメハメハ×ジェンティルドンナ、栗東・石坂正厩舎)
母はG1を7勝の名牝。現状は非力な面が目立ち、ゲート内で落ち着きが無いなど問題もあるが、それでも大負けはしていない。軽い京都の馬場に変わり、上手くスタートが決まれば変身も見込める。鞍上は浜中騎手。

【新潟】

◆未勝利(芝1000m)

スカーヴァティ(牝、ロードカナロア×クッカーニャ、栗東・西園厩舎)
2週連続で除外。良馬場の芝1200m戦は2度走って共に2着に来ており、今度も良馬場なら上位争い濃厚だが、除外続きでデキのほうが問題に。直前調教や、当日の馬体はよくチェックしておきたい。


▼2歳入厩馬情報

カヴァス(牡、カレンブラックヒル×ラテアート、栗東・平田厩舎)
母はクリスマスローズS1着。活躍馬の多いノーザンF空港牧場・高見厩舎でも評価の高い一頭。

シアンフィデール(牡、エピファネイア×ライラプス、美浦・田村厩舎)
母はクイーンC勝ち馬、祖母フサイチエアデール(重賞4勝、G1で2着3回)

ミモザゴール(牝、ルーラーシップ×ハナズゴール、美浦・加藤士厩舎)
母はオーストラリアのG1勝ち馬、国内では重賞2勝

ギルデッドミラー(牝、オルフェーヴル×タイタンクイーン、栗東・松永幹厩舎)
半兄ストロングタイタン(鳴尾記念勝ち馬)、半姉ミラアイトーン(現5勝)